適用場面

調査場面 重要性がある不動産 重要性が乏しい不動産
1.固定資産の減損    
(1) 減損の兆候把握 原則的時価算定又は、 みなし時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
(2) 減損損失の認識の判定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
(3) 減損損失の測定 (使用価値を求める際の将来の正味売却価額) 原則的時価算定又は、 みなし時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
(4) 減損損失の測定 (現在の正味売却価額) 原則的時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
2.棚卸資産の評価    
(1) 正味売却価額 原則的時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
(2) 大規模分譲地内複数画地    
  ①代表画地(1つ) 原則的時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
  ②代表画地以外 原則的時価算定又は、 みなし時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
(3) 一棟区分所有建物内複数専有部分 (価格形成要因大半共通)    
  ①代表専有部分(1つ) 原則的時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
  ②代表専有部分以外 原則的時価算定又は、 みなし時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
3.賃貸等不動産の時価等の注記    
(1) 総額の重要性が乏しいか否かの判断材料 原則的時価算定又は、 みなし時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
(2) 個々の賃貸等不動産についての価格調査 原則的時価算定 原則的時価算定又は、 みなし時価算定
4.企業結合等 上記1.〜3.の資産の分類に応じて峻別

用語解説

原則的時価算定

企業会計基準等において求めることとされている不動産の価格を「財表価格調査の基本的考え方」に定める方法により求める価格調査です。

原則として不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価を行うことになります。

例外(=不動産鑑定評価基準に則らない価格調査を行う。)としては、

  1. 不動産鑑定評価基準に則ることができない場合
  2. 不動産鑑定評価基準に則らないことに合理的な理由がある場合

があげられ、これら例外の例をあげると次のようになります。

  • 造成工事中又は建築工事中の状態を所与として対象不動産に建物以外の建設仮勘定(未竣工建物及び構築物に係る既施工部分)を含む価格調査を行う場合
  • 造成工事又は建築工事の完了後の状態を前提として行う価格調査で、不動産鑑定評価基準に定める未竣工建物等鑑定評価を行うための要件を満たさないものを行う場合
  • 自ら実地調査を行い又は過去に行ったことがあり、直近に行った不動産鑑定評価基準に則った鑑定評価の価格時点又はそれ以外の原則的時価算定を行った価格調査の時点と比較し
    て、当該不動産の個別的要因並びに当該不動産の用途や所在地に鑑みて公示価格その他地価に関する指標や取引価格、賃料、利回り等の一般的要因及び地域要因に重要な変化がないと認められる不動産の再評価を行う場合

みなし時価算定

企業会計基準等において求めることとされている不動産の価格を「財表価格調査の基本的考え方」に定める方法により求める価格調査です。
原則的時価算定以外の方法で、鑑定評価の手法を選択的に適用し、又は一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標等に基づき、企業会計基準等において求めることと
されている不動産の価格を求める価格調査をいいます。

価格等調査ガイドラインとの関係

不動産の鑑定評価に関する法律

法第3条第1項

(鑑定評価業務)

法第3条第2項

(隣接・周辺業務)

鑑定評価業等業務
不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること
不動産鑑定士の署名・押印が必要
不動産の客観的価値に作用する諸要因に関して調査分析を行い、又は不動産の利用取引若しくは投資に関する相談に応じること
価格等調査ガイドラインの適用範囲 価格等調査業務  
鑑定評価基準に則った鑑定評価 鑑定評価基準に則らない価格等調査 価格等調査以外の調査
「鑑定評価基準に則る」とは、鑑定評価基準の全ての内容に従うことをいう 鑑定評価基準に従っている程度よりその内容は様々なものがある 経済価値を判定しない価格等調査 原則として、価格等を表示しない調査
 「不動産鑑定評価書」  「調査報告書」、「価格調査書」、「意見書」  
財表価格調査の基本的考え方の適用範囲 原則的時価算定 みなし時価算定 みなし時価算定業務の一部  
鑑定評価基準に則った価格調査が基本であるが、一部従わなくてもよい場合がある 法第3条第1項に該当する価格調査 法第3条第2項に該当する価格調査  
鑑定評価基準に従っている程度※ ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★
※ ★の数が多いほど鑑定評価の料金は高くなります。

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